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CSU便り:第4回「井の中の蛙、大海を知る」

 
 
新年あけましておめでとうございます。
 

昨年はみなさまの応援のおかげで、無事にレジデントを開始できたことに心より感謝申し上げます。
 
 
レジデント開始から半年が経ちました。病院のシステムにも慣れてきたおかげで、診察も1日3件ほど担当できるようになってきました。もちろん、知識面・英語面ともにまだまだ改善すべき点は多く、今年の大きな目標はそこだと感じています。残り2年半と考えると、長いようで意外とあっという間です。2年半後には専門医試験が控えており、英語で、しかも内容は極めて難しいと聞きます。今のうちから試験を意識して、日々の症例と勉強を積み重ねていこうと思っています。
 
 
さて、この半年で気づいたことを、みなさまにシェアしたいと思います。
「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があります。最近はことわざ自体あまり使われないかもしれませんが、この半年の経験を表す言葉として、これほどしっくりくるものはありませんでした。
 
 
私はVCA Japan関内どうぶつクリニックで約6年間一般診療に従事し、二次診療施設ではないものの、内科のセカンドオピニオンも多く来院する環境で、難しい症例にも数多く携わってきました。日本語の成書では欲しい情報が十分に得られないことも多く、英語論文や英語の成書を調べながら自分なりに整理して診療に反映し、症例経験を積んできたつもりです。学生時代に研究経験もあったため、英語論文も2本投稿しました。正直なところ、その頃は自分の知識や努力にある程度の自信を持っていたと思います。
 
 
しかし、コロラド州立大学(CSU)で内科レジデントを始めてから、周囲の知識の“質”と“量”に圧倒されました。診療も、日本でやってきた感覚のままではうまくいかず、これまで自分が積み上げてきたものがそのまま通用するわけではない、という現実を突きつけられました。獣医師になってから初めてと言っていいほどの大きな挫折感を味わったのは、苦い経験でした。
 
 
ただ、これは間違いなく、アメリカでレジデントを経験しなければ気づけなかったことだと思います。日本で診療していたころの私は、まさに「井の中の蛙」でした。人は同じ環境にいると、どうしても“見えている範囲”の中で自分を評価してしまいます。そして努力していれば、「自分はできている」と感じやすい。けれど、より大きな世界に踏み込むと、自分の知らないことが想像以上に多く、良くも悪くもショックを受けます。とはいえ、そのショックによって自分の現在地が見えるようになり、「次に何をすべきか」がより具体的になります。結果として、もう一段上を目指して努力できるようになります。(要するに、世界は広くて、勉強は終わりません。便利な言い訳にもなります。)
 
 
もちろん、必ずしも海外に行くことだけが正解ではありません。日本にいても、外のレベルを知る方法はいくらでもあります。たとえば学会に参加して発表したり、講演を聴いたりすることは、有効な手段のひとつです。コロナ禍の影響もあり、私自身は学会参加の機会が多くありませんでしたが、今振り返ると、早い段階から意識しておくべきだったと感じます。最近、関内どうぶつクリニックの後輩たちが、グループ内の他病院へ研修に行ったり、VCA Japan内の勉強会に積極的に参加していると聞きました。そうした経験が大きな刺激になっているようで、とても頼もしく感じています。
 
 
海外に興味のある先生であれば、海外学会への参加や大学へのVisitingを一度でも経験すると、視野が広がり、次の目標が自然と見えてくると思います。慣れ親しんだ環境を離れるのはストレスフルですが、確実に自分の糧になります。
 
 
VCA Japanには現在45以上の病院があり、それぞれ得意分野や強みが異なります。グループ内の他病院へ研修に行くことも大きな学びになりますし、今後は提携する二次診療施設への研修機会もさらに広がっていくと聞いています。せっかくの環境とチャンスを、ぜひ最大限に活用して、皆の成長につなげていきたいと思います。
 
 
今年もCSUから、現場で学んだことをできるだけ分かりやすく共有していきます。引き続きよろしくお願いいたします。
 
 
コロラド州立大学(CSU)内科レジデント
VCA Japan 関内どうぶつクリニック
獣医師 小西啓介